Letter

RNA干渉による甲虫目害虫の防除

Nature Biotechnology 25, 11 doi: 10.1038/nbt1359

作物につく鱗翅目および甲虫目害虫を防除するためのバイオテクノロジー製品は、Bacillus thuringiensis殺虫タンパク質の発現に依存しており、その多くは感受性をもつ昆虫の腸上皮細胞膜を透過性にする。しかし、昆虫の抵抗性の出現に対処するには、複数の作用様式による害虫防除が有用と考えられる。この目的で我々は、人工飼料に導入した二本鎖(ds)RNAの摂取が、複数の甲虫目種、特にウェスタン・コーン・ルートワーム(WCR)Diabrotica virgifera virgifera LeConteでRNA干渉の誘因となることを明らかにした。dsRNAの摂取は、幼虫の発育阻害および致死を引き起こすと考えられる。WCRのdsRNAを発現するよう操作した遺伝子組換えトウモロコシは、グロースチャンバー検定でWCRによる被害を有意に減少させた。これは、RNAi経路がdsRNAのin planta発現によって害虫防除に利用される可能性を示唆している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度