Letter

ヒト胚性幹細胞のROSA26座の同定および標的化

Nature Biotechnology 25, 12 doi: 10.1038/nbt1362

ヒト胚性幹(hES)細胞の樹立は、ヒト発生の研究に新たな道を開き、補充療法用の細胞源をもたらす可能性がある。hES細胞の可能性を十分に引き出すには、相同組み換えを利用してマウスES細胞で広く行われているように、hES細胞を遺伝的に改変することができれば有益であろう。マウスのRosa26座は高い効率で標的化することができ、過去に検討された多くの細胞で発現することから、とりわけ遺伝子改変に有用である。本論文では、マウスのRosa26座のヒトホモログを同定したことを示す。同遺伝子座には赤色蛍光タンパク質(tdRFP)のcDNAが相同組み換えによって標的化され、この標的化レポーターが多様なhES細胞由来系列で発現することが確認された。リコンビナーゼによるカセット交換でtdRFPのcDNAが別のcDNAと置換されることがわかり、さまざまな発現遺伝子座に導入遺伝子を容易に導入することができる細胞系列が得られる。

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