Review ヒト抗ウイルスモノクローナル抗体治療薬の成長および可能性 2007年12月10日 Nature Biotechnology 25, 12 doi: 10.1038/nbt1363 モノクローナル抗体(mAb)は、宿主細胞へのウイルス侵入および抗ウイルス免疫の機構を理解するための強力な研究ツールとして、長年ウイルス学者に利用されている。しかし、ウイルス感染の予防、先制攻撃的治療および急性期治療に用いるヒト(またはヒト化)mAbの製品開発はそれほど進んでいない。この事実は、新しい抗体発見ツールが強力なヒトの抗ウイルス中和mAbを同定する速度および精度が向上していることを考えれば意外である。また、循環ウイルス株の抗原多様性やウイルスの中和回避能力など、抗ウイルスmAbの開発を長年阻んできた障害は解決されつつあり、mAbの作用機構に関する洞察の深まりおよびエフェクター機能の作製により、抗ウイルスmAbの有効性も改善されつつある。企業でも大学の研究室でも、こうした成功は、生物医学研究および規制を取りまく環境の絶え間ない変化と相まち、ヒト抗ウイルスmAb治療薬の商業開発が活発化する時代の到来を告げるものである。 Full text PDF 目次へ戻る