Review

HIVの遺伝子治療

Nature Biotechnology 25, 12 doi: 10.1038/nbt1367

高活性抗レトロウイルス療法はHIV感染者を延命させるが、生涯にわたる治療が必要なうえ、蓄積毒性および変異型回避ウイルスをもたらす。遺伝子療法は、長期的な化学療法を行わずにウイルス複製の持続的な阻害によってHIV感染の進行を抑制する方法として有望である。リボザイムやアンチセンス、RNAアプタマー、低分子干渉RNAのようなRNAを利用した薬物、およびHIVのRevタンパク質のM10変異体や融合阻害薬、亜鉛フィンガーヌクレアーゼのようなタンパク質を利用した薬物を用いる遺伝子標的法が開発されている。T細胞を利用する方法の最近の進歩には、遺伝子組換えHIV抵抗性T細胞、レンチウイルスによる遺伝子送達、CD8+ T細胞、Tボディー、組換えT細胞受容体などがある。HIV抵抗性造血幹細胞はHIVに感染するあらゆる細胞を保護する可能性がある。耐性ウイルスの出現には、遺伝因子の組み合わせを利用する治療法、およびウイルスと宿主標的の双方を阻害する治療法で対処可能である。こうした方法の多くは、進行中および計画中の臨床試験で検討が行われている。

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