Letter 治療標的としての幹細胞ニッチ 2007年2月1日 Nature Biotechnology 25, 2 doi: 10.1038/nbt1281 幹細胞が存在する特別な微小環境「ニッチ」は、幹細胞の機能を支配する調節性入力の供給源である。今回、ニッチを標的とすれば幹細胞を利用する治療を改善することができるという仮説を、造血幹(HS)細胞の臨床利用に重要な意味をもつ3種類のマウスモデルを用いて検証した。我々および他の研究グループは以前、骨芽細胞が成体HS細胞ニッチの一要素であることを見出し、骨芽細胞の副甲状腺ホルモン(PTH)受容体を活性化させると幹細胞が増加することを確認している。我々は今回、PTHの薬理学的使用が、幹細胞を収集するための末梢血に放出されるHS細胞を増加させ、細胞傷害性化学療法薬に対する幹細胞の反復曝露を防ぎ、移植レシピエントの幹細胞を増加させることを明らかにした。この結果は、ニッチが薬物を用いる幹細胞治療の有望な標的となることを示している。 Full text PDF 目次へ戻る