Article 万能細胞工場Aspergillus niger CBS 513.88のゲノム配列解読および解析 2007年2月1日 Nature Biotechnology 25, 2 doi: 10.1038/nbt1282 糸状真菌Aspergillus nigerは、酵素や有機酸、特にクエン酸を生産する発酵醸造産業で広く利用されている。我々は、現在用いられている酵素産生株の祖先であるA. niger CBS 513.88のゲノム配列(33.9 Mb)を解読した。配列が解読されている他のアスペルギルス属真菌とは高度のシンテニーが認められた。同定したオープンリーディングフレーム14,165個のうち、6,506個に関して強力な機能予測が立てられた。タンパク質分泌経路の構成要素の詳細が明らかになり、アスペルギルス属の加水分解酵素スペクトルに大きな差が認められた。A. nigerの多様な代謝は、独特な反応1,069種類からなる再構築された代謝ネットワークで説明される。特筆すべきは、メジャー・ファシリテーター・スーパーファミリーの輸送体および真菌の亜鉛二核性クラスター転写因子を多数もち、フモニシンおよびオクラトキシンAを合成するための推定遺伝子クラスターが存在することである。 Full text PDF 目次へ戻る