Letter 選択的スプライシングを用いて設計した雌特異的な昆虫致死性 2007年3月1日 Nature Biotechnology 25, 3 doi: 10.1038/nbt1283 不妊虫放飼法は、種に特異的で環境に優しい害虫駆除法である。これは、不妊化した昆虫を大量に放って不妊交尾させることで、自然の個体数を減少させる方法である。雌に特異的な自滅遺伝子システムをもつ昆虫は、従来の不妊法の有望な代替法となるばかりでなく、放虫群から雌を排除することもできる。我々は、昆虫の性特異的選択的スプライシングを用い、チチュウカイミバエCeratitis capitataの雌特異的自滅遺伝子システムを設計した。これは、チチュウカイミバエtransformer遺伝子のカセットエクソンをテトラサイクリン抑制性の異種トランス活性化因子に挿入し、雄スプライス変異体ではトランス活性化因子転写物を破壊するが雌では破壊しないようにするものである。このシステムの主要素は系統分類的に幅広く機能するため、この戦略はキイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)以外の昆虫がもつ性特異的発現システム(初期作動性の雌特異的プロモーターなど)の不足を解消する。この方法は、ほかの生物の遺伝子発現制御、特に適切なプロモーターとの組み合わせ制御に広く応用される可能性がある。 Full text PDF 目次へ戻る