Article ProSARが誘導する酵素進化による触媒機能の向上 2007年3月1日 Nature Biotechnology 25, 3 doi: 10.1038/nbt1286 本論文では特定の工程の設計基準を満たす酵素の作製に広く応用可能な定向進化法を紹介する。この方法は、タンパク質配列活性相関(ProSAR)の統計解析法を取り入れることで、組換えを利用する定向進化法を増強したものである。この組み合わせによって配列活性データに含まれる付加的情報が捕捉されるため、変異重視型の酵素最適化が容易となる。したがってこの方法では、機能が低下した変異体でも有用な変異の特定が可能である。この複合法を細菌のハロヒドリン脱ハロゲン酵素の進化に用いたところ、シアン化工程の容積生産性が約4,000倍向上した。コレステロール降下薬アトルバスタチン(リピトール)の合成に利用される実用的な生体触媒利用工程の設計基準を満たすにはこのレベルの生産性向上が必要であり、これを達成するために用いた変異体は少なくとも35ヵ所が変異していた。 Full text PDF 目次へ戻る