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先天性免疫応答を選択的に調節する抗感染ペプチド

Nature Biotechnology 25, 4 doi: 10.1038/nbt1288

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、バンコマイシン耐性腸球菌およびネズミチフス菌(Salmonella enterica serovar Typhimurium)など、重要なグラム陽性および陰性病原菌のマウスモデル感染に対して、生得的な防御調節ペプチド(IDR-1)が防御作用を示すことを明らかにした。局所投与でも全身投与でも、感染の48時間前から6 時間後までの投与でこのペプチドには効果が認められた。IDR-1による防御は、in vivoで単球およびマクロファージを除去すると抑制されるが、好中球またはBおよびTリンパ球の除去では抑制されないことから、カギを握るエフェクター細胞は単球およびマクロファージであると結論づけた。IDR-1は直接的な抗菌薬ではない。有糸分裂促進物質が活性化するタンパク質キナーゼを介するなどのシグナル経路を通じて作用するIDR-1が、前炎症性サイトカイン応答を抑制しながら単球のケモカインレベルを亢進させていることが、ヒトおよびマウスの単球およびマクロファージを対象とする遺伝子およびタンパク質の発現解析で示された。毒性を示さずに先天性免疫を選択的に調節することによって感染に対処する生得的な防御調節物質は、我々の知る限り発表されていない。

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