Article 動物病原体Dichelobacter nodosusのゲノム配列およびワクチン候補抗原の同定 2007年5月1日 Nature Biotechnology 25, 5 doi: 10.1038/nbt1302 Dichelobacter nodosusは、羊毛および食肉産業に重大な経済的損失をもたらすヒツジ腐蹄病の原因菌である。我々は、既知の嫌気性菌ゲノムとしては最小のゲノム140万塩基の配列を解読した。これは、細胞内細菌の小さなゲノムとは大きく異なり、高い生合成能力を保持するとともに、ゲノム縮小が大々的に進行している証拠が認められない。ゲノムマイクロアレイによる比較研究およびバイオインフォマティクス的分析からは、その小ささにもかかわらず、ゲノムのほぼ20%が遺伝子の水平伝播に由来することが示唆された。その領域の大部分は病原性と関連するものと考えられる。代謝再構築により、炭水化物利用、電子伝達、およびいくつかの好気的経路など、予想外の能力が示された。包括的な転写解析およびバイオインフォマティクス的分析により、病原性因子および細胞表面タンパク質の予測が可能となった。ヒツジ抗血清でそのタンパク質をスクリーニングすると、交差防御能を有するワクチンの候補抗原として8種類の免疫原性タンパク質が同定された。 Full text PDF 目次へ戻る