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Notchシグナル伝達は血管芽細胞の運命を心臓に再指定する

Nature Biotechnology 26, 10 doi: 10.1038/nbt.1497

培養胚性幹(ES)細胞から心筋細胞を効率よく作り出すには、心臓細胞系列の主要調節因子を特定してその制御法を開発することが不可欠である。今回我々は、tet誘導型のマウスES細胞株で恒常活性型Notch 4受容体を強制発現させることにより、Notch経路を介するシグナル伝達によって血管芽細胞の運命を高効率で心臓に再指定することができ、心筋細胞が60%以上を占める細胞集団が作製されることを示す。マイクロアレイ解析により、この再指定は、部分的にはNotchシグナル伝達によるBMP経路およびWnt経路の協調的な調節で媒介されていることが明らかになった。総合すると、今回の知見は、Notch経路が心臓の発生で果たす潜在的な役割を明らかにし、ES細胞から心臓前駆細胞を大量に得る方法をもたらすものである。

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