Perspective

454配列解読法の開発とその反響

Nature Biotechnology 26, 10 doi: 10.1038/nbt1485

454シーケンサーにより、科学界では配列解読量が劇的に増大し、DNA配列の直接的な読み取りで対処可能な問題の範囲が広がった。454配列解読プラットフォーム開発の重要な成果は、高い処理能力、in vitroサンプル調製の全体的簡略化、および配列解読のための化学反応の小型化であり、従来不可能であった規模およびコストでの超並列配列解読反応が可能となった。454プラットフォームは、最近発表されたほかの次世代技術とともに配列解読法普及の幕を開き、一握りの大規模な施設のみが有していたような解析能を個別の研究室で利用可能なものとした。454配列解読法によってこの18カ月間でヒトゲノム構造の理解が深まり、サンガー法以外の方法で初めて個人の配列が解読され、低分子RNAの新たな同定法が開発された。次世代技術をさらに普及させるためには、低コスト化および使用方法の単純化が必要である。長期的にみれば、454配列解読法が確立した原理はコストをさらに押し下げ、個別化ゲノミクスを実現させると考えられる。

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