Perspective

何でも配列が解読できたら何をするか

Nature Biotechnology 26, 10 doi: 10.1038/nbt1494

ヒトゲノムプロジェクトで最も動きが激しいのは、ゲノム配列の解読そのものではなく、それに伴って開発される新技術であろう。多くの新しい方法が、基礎および橋渡し研究の問題への取り組み方を根底から変化させた。現在、新世代の高処理能配列解読技術は再び科学系企業を動かしており、アレイを基盤とする技術に代わって多くの新たな可能性が広がるものと期待される。このような次世代プラットフォームでは、DNAおよびRNAの分析が高速化することにより、ゲノムの調節および生物学に関する理解が深まると考えられる。配列解読の処理能が大きく向上することで、耐性ウイルスおよび耐性菌の進化のリアルタイムな追跡、現在は捉えられていないきわめて多様な新規遺伝子の解明、核酸治療の理解、健康および疾病の個人レベルの全体像に関する生物学的情報の適切な統合が可能となり、想像もつかないほどの進歩があるものと考えられる。

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