Perspective 治療用酵素に対する中和抗体:検査、予防、および治療の検討 2008年8月1日 Nature Biotechnology 26, 8 doi: 10.1038/nbt.1484 リソソーム蓄積病はリソソーム酵素の欠損が特徴で、細胞内に標的基質が蓄積して最終的には細胞死を生ずる。この疾患では、酵素補充療法が第一選択である場合が多い。しかし、この治療法は酵素に対する免疫応答を併発し、中和産生物の活性による効果の阻害および重度の有害転帰を生ずる場合が多い。このため、遺伝子の変異、内因性の残余酵素タンパク質(交差反応性の免疫物質)、中和抗体の発生、およびそれがリソソーム蓄積病の臨床転帰に与える影響の関係を理解することが重要となる。中和抗体が重度の臨床的有害転帰を生ずる可能性がある患者には、寛容性を誘導するプロトコルを開発し、そのような生命に関わる応答を、予測可能な場合には妨げ、そうでなければ治療することが最も重要である。 Full text PDF 目次へ戻る