Letter AMLのマウスモデルで細胞周期を誘導するとヒト白血病幹細胞が消滅する 2010年3月1日 Nature Biotechnology 28, 3 doi: 10.1038/nbt.1607 がん幹細胞は、急性骨髄性白血病(AML)などさまざまな悪性疾患の発生、維持、再発に重要であることがわかってきた。我々はこれまでに、骨髄の骨内膜領域に存在するCD34+CD38-ヒト原発性AMLの白血病幹細胞が相対的な抗がん剤抵抗性をもつことを発表している。今回我々は、ヒトAMLのNOD/SCID/IL2rγ nullマウスモデルを用い、骨内膜領域の白血病幹細胞が細胞周期の静止期にあることを示した。また、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)を投与すると、白血病幹細胞の細胞周期が誘導されることがわかった。G-CSF投与は、細胞周期依存的な化学療法との併用により、ヒト白血病幹細胞のアポトーシスおよび除去をin vivoで強く誘導した。化学療法単独の場合と比較すると、この併用療法は、白血病細胞を移植した二次レシピエントの生存率を大幅に上昇させた。 Full text PDF 目次へ戻る