Review 直接的な細胞系譜転換:不自然ながら有用か 2011年10月1日 Nature Biotechnology 29, 10 doi: 10.1038/nbt.1946 卵母細胞への体細胞核移植および細胞融合のような従来の実験により、分化細胞の運命は不可逆的なものではないことが明らかにされた。最近の研究はその結論に立脚しており、異なる胚葉に由来する細胞と同じくらい異質の別の細胞型から特定の細胞型を直接誘導する決定的な因子が発見されてきた。これは、適切な再プログラム化因子がわかっていれば、特定の細胞型から別の細胞型への直接的な転換が行われる可能性を示唆している。直接的な系譜転換は、疾病過程モデルまたは細胞置換療法に用いるヒト細胞の新しい重要な供給源となる可能性がある。将来これを活用するには、再プログラム化の忠実度を慎重に見極め、目的とするヒトの細胞型を確実かつ効率的に作製する方法を開発することが重要である。 Full text PDF 目次へ戻る