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遺伝的抵抗性メカニズムの異なる昆虫に
対する遺伝子組み換えBt毒素の有効性

Nature Biotechnology 29, 12 doi: 10.1038/nbt.1988

害虫防除のために、Bacillus thuringiensisBt)毒素を産生する遺伝子組み換え作物が広く栽培されているが、その有効性は昆虫の適応によって低下する場合がある。遺伝子組み換えBt毒素Cry1AbModおよびCry1AcModは、非組み換えBt毒素Cry1AbおよびCry1Acに対して抵抗性を有する昆虫に対処するために設計された。過去の研究では、この組み換え毒素に関して、毒素に結合するカドヘリンタンパク質をコードする遺伝子の変異と抵抗性が関連する場合にのみ有効である可能性が示唆されている。本論文では、5種類の主要な作物害虫から得られた証拠により、この仮説が否定されることを示す。抵抗性がカドヘリンの変異とは無関係とされたコナガ(Plutella xylostella)およびアワノメイガ(Ostrinia nubilalis)の抵抗性株に対する組み換え毒素の有効性は、非組み換え毒素と比較して350倍以上高かった。逆に、この組み換え毒素には、カドヘリンが変異した別の3種類の害虫の一部の抵抗性株に対する効果がほとんど認められなかった。カドヘリンの変異の有無によらず、組み換え毒素の相対的な有効性は、抵抗性が最も強力な部類の株に対して全般的に高かった。

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