Resources 民族的に多様なヒト胚性幹細胞のスクリーニングが増殖優位性をもたらす20番染色体の最小増幅産物を明らかにする 2011年12月1日 Nature Biotechnology 29, 12 doi: 10.1038/nbt.2051 国際幹細胞イニシアチブでは、世界各地の38研究施設から集めた125系統のヒト胚性幹(ES)細胞株および11系統の人工多能性幹(iPS)細胞株を対象に、培養中に生じた遺伝的変化の分析を行った。ほとんどの細胞株に関して、初期継代および後期継代の分析を行った。一塩基多型(SNP)の分析から、そこにはほとんどの主要な民族集団の典型が含まれていることが明らかにされた。ほとんどの系統の核型は正常のままであったが、培養期間が長くなると変化を生じやすくなる傾向があり、一般に1、12、17、および20番染色体で変化が見られた。DNAメチル化パターンは不規則に変化しており、培養期間とは無関係であった。SNPアレイで明らかにされた構造多型も散発的なものと考えられる。1、12、および17番染色体では、培養に関連する共通の変異が見られなかったが、ヒトES細胞で発現しているID1、BCL2L1およびHM13の3遺伝子を含む染色体20q11.21では、最小増幅産物が20%以上の系統で生じていた。なかでもBCL2L1は、ES細胞の培養適応を促進するものの候補として有力である。 Full text PDF 目次へ戻る