Letter ワタ胚珠表皮細胞のオーキシン生合成の 時空間的操作による繊維の収量および 品質の向上 2011年5月1日 Nature Biotechnology 29, 5 doi: 10.1038/nbt.1843 ワタ繊維の収量と品質を同時に改善するうえで、従来の育種法には限界がある。我々は、植物ホルモンであるインドール-3-酢酸(IAA)のワタ繊維始原細胞中の蓄積に着目し、遺伝子操作による胚珠表皮中IAA量の増加の効果を検討した。ペチュニアMADS-box遺伝子Floral Bindingタンパク質7(FBP7)のプロモーターが促進するIAA生合成遺伝子iaaMの選択的発現は、繊維形成段階でワタ胚珠表皮中のIAA量を増加させた。これによってリント繊維の数は大幅に増加し、その効果が4年間の圃場試験で確認された。遺伝子組み換えワタのリント含量は、繊維収量の重要な要素であり、我々の遺伝子組み換え植物では、非遺伝子組み換えの対照植物に対してこれが例外なく高く、リント収量の増加率は15%を超えた。同時に、繊維繊度も著明に改善された。 Full text PDF 目次へ戻る