Perspective ナツメヤシ(Phoenix dactylifera)の新規ゲノム配列解読および比較ゲノミクス 2011年6月1日 Nature Biotechnology 29, 6 doi: 10.1038/nbt.1860 ナツメヤシは、中東および北アフリカで栽培される木本作物として経済的に極めて重要なものであり、乾燥環境の農業生産力を向上させる有力な候補となっている。しかし、世代時間が長く(5~8年)、雌雄異株であるため、栽培および遺伝子解析が困難である。この問題に取り組むため、我々はカラス種のナツメヤシの雌株の概要ゲノム配列を組み立てた。これは、ヤシ目の植物に関するその種の資源としては、初めて一般公開されるものである。主に遺伝子が豊富な領域に広がっている約380 Mbの配列には遺伝子モデルが2万5,000個以上含まれ、これが遺伝子の約90%およびゲノムの約60%をカバーすると推定されている。デグレット・ノール種およびメドジュール種の雌株、および戻し交雑したその雄株など、それ以外の8種類の栽培種の配列解読により、1万か所以上の遺伝子コピー数多型を含む350万か所以上の多型部位が発見された。この多型のごく一部によって複数の品種を識別することができる。我々は、性別と関連するゲノム領域を特定し、ナツメヤシの性別遺伝がXY型であることを示す証拠を発見した。 Full text PDF 目次へ戻る