Article 参照ゲノムの存在しないRNA-Seqデータからの完全長トランスクリプトームの組み立て 2011年7月1日 Nature Biotechnology 29, 7 doi: 10.1038/nbt.1883 cDNAの超並列塩基配列解読により、トランスクリプトームを詳細かつ効率的に分析することができるようになった。そのようなデータから転写物を再構築するために現在行われている方法は、参照ゲノムに沿ってリードを整列させることによる場合が多く、参照ゲノムが不完全であったり存在しなかったりする試料には不適切である。本論文では、完全長転写物を新規に組み立てるための「トリニティー」法を紹介し、分裂酵母、マウス、および参照ゲノムが明らかにされていないコナジラミから得た試料でそれを評価する。デブルーイン・グラフのセットを効率的に構築して分析することにより、トリニティーは、選択的にスプライシングされたアイソフォームや複製されたばかりの遺伝子の転写物も含めて、転写物の大部分を完全に再構築する。ほかの新規トランスクリプトーム組み立てソフトウェアと比較して、トリニティーは、発現レベルがさまざまな完全長転写物を、ゲノムアラインメントに頼る方法と同等の感度で、多く再生させることができる。我々の方法は、どんな試料でも、特に参照ゲノムが存在しない場合でも、トランスクリプトームを再構築するための統一的な解決策となる。 Full text PDF 目次へ戻る