Perspective IL-12/23経路の治療標的:ウステキヌマブの創出と特性評価 2011年7月1日 Nature Biotechnology 29, 7 doi: 10.1038/nbt.1903 1990年代半ばに行われた前臨床試験および臨床試験では、T細胞ヘルパー(TH)1誘導サイトカインであるインターロイキン(IL)-12と多くの免疫介在性疾患との間に強い関連性および因果関係のあることが明らかにされた。このことは、IL-12の機能を標的とする治療薬の開発に拍車をかけた。 臨床で用いられた初期の薬剤の1つであるウステキヌマブは、IL-12のp40サブユニットに結合するヒトモノクローナル抗体である。ウステキヌマブが創出された後、IL-23も同じp40サブユニットを持つことが発見された。したがって、ウステキヌマブは、IL-12を標的として設計されたにもかかわらず、TH17細胞の発生や維持に重要なサイトカイン、IL23も変調させる。IL-12/23p40は、乾癬、乾癬性関節炎、およびクローン病に不可欠であることが、臨床観察で確認された。ウステキヌマブの臨床プログラムで行われた分子的および細胞的評価により、こうした疾患の病理過程に関して多くの洞察が得られ、新規化合物が疾患の理解に貢献可能であることが示された。これらサイトカインの特定の病理に対する個別の寄与には、IL-12およびIL-23に特異的な阻害剤の役割の研究および臨床評価が必要である。 Full text PDF 目次へ戻る