Article 生細胞内のタンパク質の拡散および 相互作用の定量的蛍光画像化法 2011年9月1日 Nature Biotechnology 29, 9 doi: 10.1038/nbt.1928 細胞内の拡散過程および局所的動的平衡がもたらす分子の不均質な空間分布は、細胞の分裂、分化、および移動時の核構成やシグナル伝達などの過程に不可欠である。こうした機構を明らかにするためには、タンパク質の量、移動性、および相互作用を空間的に分解する定量測定法が必要であるが、従来の方法は、動的パラメーターを明らかにする能力が十分ではない。本論文で紹介する顕微鏡はライトシート照明を利用するもので、超並列的な蛍光相関分光法(FCS)による測定を可能とする。我々は、これを使用して、哺乳類細胞および単離ハエ組織のタンパク質の拡散および相互作用を可視化した。細胞核内のヘテロクロマチンタンパク質HP1αの移動性を画像化することで、ヘテロクロマチンのようにHP1αとクロマチンとが相互作用するユークロマチン領域を示す高分解能の拡散マップが得られた。FCSによる画像化は、細胞内の反応拡散過程を詳細に解析する有用な方法になると考えられる。 Full text PDF 目次へ戻る