Review
ゲノムおよびトランスクリプトームのヌクレオチド変異体がマッピングで最近同定された
Nature Biotechnology 30, 11 doi: 10.1038/nbt.2398
ヌクレオチド変異体、そのなかでも後生的な機能に関連するものは、単なるゲノム配列以上の重要な調節情報をもたらし、高等生物の細胞状態を決定づける。最近までは、DNA中に見られる5-メチルシトシンが、真核生物の後生学の観点で研究されている唯一のヌクレオチド変異体であった。しかし、5-メチルシトシンは動的なDNA後生的調節ネットワークの一構成要素にすぎず、そのネットワークには5-ヒドロキシメチルシトシン、5-ホルミルシトシン、および5-カルボキシルシトシンも含まれることが明らかにされた。最近では、RNAのN6-メチルアデノシンの可逆的なメチル化も明らかにされている。そうした新たなヌクレオチド変異体の発見は、後生学分野に新情報の急増を引き起こした。この急速な研究の進展は、ヌクレオチドの修飾を特異的に認識、濃縮、および配列解読する新技術のタイムリーな開発によるところが大きいが、それは、5-メチルシトシンの重亜硫酸塩配列解読法の幅広い応用、および塩基分解能の情報によって5-メチルシトシンから5-ヒドロキシメチルシトシンを分離するごく最近の重亜硫酸塩配列解読法の改良が示すとおりである。