Review
広がりゆくDNA配列解読法の用途
Nature Biotechnology 30, 11 doi: 10.1038/nbt.2421
わずか7年の間に、次世代技術はDNA配列解読のコストを4桁低下させ、速度を4桁高めた。読み取り配列を何百万個も必要とする実験が、現在は日常的に行われている。研究では、ゲノムを組み立ててヒト疾患の遺伝的基盤を追究するのみならず、無数の生体および細胞生物学的現象を探る目的でも、配列解読法が用いられている。臨床的には、再生医療やがん、感染症などのさまざまな状況で、配列データの有用性が集中的に評価されている。配列解読法の新用途開発でたびたび持ち上がるテーマは、既存の実験的基本要素を創造的に「組み換える」ことである。しかし、次世代DNA配列解読法の用途には、大きな影響力が期待されながらいまだ完全には実現していないものが多数残されている。