Perspective

インフルエンザAウイルス感染に対するin vitroで合成された特異的なmRNAワクチンの防御効果

Nature Biotechnology 30, 12 doi: 10.1038/nbt.2436

大幅に進歩してはいるものの、インフルエンザワクチンの生産(および利用可能性)はいまだに最適化されていない。mRNAに基づくインフルエンザワクチンは、配列が一致した臨床等級の素材を量産可能な工程によって短時間で確実に生産することができ、パンデミック株の出現への迅速な対応を可能にするため、解決策となる可能性がある。今回我々は、mRNAワクチンが、きわめて若齢およびきわめて老齢のマウスでもインフルエンザAウイルス感染に対する偏りのない持続的な防御免疫を誘導し、熱ストレス下でも予防効果を失わないことを明らかにした。このタイプのワクチンは、BおよびT細胞依存性の防御を誘導し、高度に保存されたウイルス核タンパク質など複数の抗原を標的とすることから、交差防御ワクチンとしての有用性が示された。mRNAワクチンがフェレットおよびブタで誘導する防御の免疫学的相関指標および防御効果は、認可されたインフルエンザワクチンがブタで示すものと類似していた。以上のことにより、mRNAワクチンは、インフルエンザ予防の領域およびさらに広い抗感染ワクチン学の分野で、大きな医学的ニーズに応える可能性がある。

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