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TALEN による遺伝子改変研究を後押しす る FLASH
Nature Biotechnology 30, 5 doi: 10.1038/nbt.2233-1
転 写 活 性 化 因 子 様(TAL) エ フ ェ ク タ ーは DNA 結合タンパク質の一種で、分子内の2 残基の可変領域を特定の DNA 塩基と関連づけるコードに従ってゲノム上の特定部位に結合するように設計することができる。このTAL エフェクターをヌクレアーゼと融合させた TALEN を用いると、亜鉛フィンガーヌク レアーゼのように、選択的な遺伝子改変を行 うことができる。Joung らは、既存の TAL エフェクター作製 法 を FLASH (fast ligation-based auto-matable solid-phase high-throughput) という方法で改良した。TAL エフェクターは、複数の 33 ~ 35 残基の反復からなるモジュール式タンパク質で、それぞれの反復が DNA の 1 塩 基 と 結 合 す る。FLASH は、 あ りうるすべての 1、2、3、4 塩基の配列に特異的な反復の組み合わせが含まれるプラスミ ド 376 個のライブラリーを用い、これを基 本構成要素として、磁気ビーズ上に自動的にTAL エフェクターを構築する。研究チームは、ヒトの遺伝子 84 個を標的とする TALEN をFLASH で作製したが、これまでに TALEN が報告されている遺伝子はすべての生物種を通じて合計 17 個程度であり、今回その数は大幅に増えることとなった。