Review ポストゲノム時代のがんの薬剤併用療法 2012年7月1日 Nature Biotechnology 30, 7 doi: 10.1038/nbt.2284 過去10年にわたり、全ゲノム配列解読などの「オミックス」技術は、腫瘍細胞が依存する病因促進変異を明らかにしてきた。そうした依存性や合成致死性をはじめとする腫瘍の脆弱性から、遺伝学的に規定される個別の患者群を治療する新世代がん治療薬の新たな標的が得られている。そのようながんの個別化医療戦略は、究極的には従来の汎用的な細胞傷害性化学療法に代わる可能性がある。しかし、高深度配列解読法で明らかにされたがん腫瘍内の高度な遺伝的不均質性は、分子標的薬および細胞傷害性化学療法によって新規および獲得性の耐性が生じ、その有用性が制限される理由を説明している。多因性の抗がん剤耐性という長期的課題の解決策としては、合理的な併用標的療法が挙げられる。 Full text PDF 目次へ戻る