Review

再発性ホジキンリンパ腫および全身性未分化大細胞型リンパ腫に用いる「ブレンツキシマブ ベドチン」の発見および開発

Nature Biotechnology 30, 7 doi: 10.1038/nbt.2289

最近、腫瘍細胞にがん治療薬を選択的に送達することができる抗体薬物複合体(ADC)の開発で進展があった。その基本的な発想は、腫瘍親和性抗体に薬物を結合させれば標的細胞が破壊され、非標的細胞は破壊を免れる、という単純なものである。実際には、安全で有効なADCを開発するためには、腫瘍組織と正常組織の発現プロファイル、薬物の力価、薬物を結合するリンカーおよび抗体に対する薬物の配置、ならびに最終的ADCの薬物動態プロファイルおよび安定性プロファイルなど、多くのパラメーターを処理することが必要であった。再発性ホジキンリンパ腫および全身性未分化大細胞型リンパ腫(ALCL)の治療用として、最近米国食品医薬局の迅速承認を受けたブレンツキシマブ ベドチン(アドセトリス)の開発では、そうした問題がすべて考慮されていた。ブレンツキシマブ ベドチンの適応を拡大する研究、ならびに新しいリンカーおよび結合方法を有するほかのADCの開発によってこの分野を進展させるための研究が進行中である。

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