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マメ科植物タルウマゴヤシおよびこれに内部共生して窒素固定を行うアルファルファ根粒菌のプロテオームアトラス

Nature Biotechnology 34, 11 doi: 10.1038/nbt.3681

マメ科植物は土壌中の窒素を増加させ、環境に有害な肥料をほとんど必要としないため、農業システムの構成要素として極めて重要である。マメ科植物と窒素固定土壌細菌である根粒菌との複雑な共生関係は根粒を発達させ、そこでは根粒菌が大気中の窒素を固定してそれを宿主植物に提供する。本論文では、マメ科植物のモデルであるタルウマゴヤシ(Medicago truncatula)およびそれと共生するアルファルファ根粒菌(Sinorhizobium meliloti)の量的プロテオームアトラスを示す。これには、タンパク質2万3000種類あまり、リン酸化部位2万カ所余り、およびリジンアセチル化部位700カ所余りが含まれる。この解析結果は、共生を調節するメカニズムに関する洞察をもたらす。我々は、カルモジュリン結合タンパク質が宿主の主要な調節因子であることを明らかにし、共生細菌の遺伝子発現を制御する宿主因子(生物活性ペプチド)の役割および標的を推定した。このプロテオームリソースをさらに探ることにより、作物およびそのパートナー微生物を改変して農業の生産性および持続可能性を高めることができると考えられる。

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