遺伝学:ヒトパンゲノムの概要参照配列が初めて発表される
First draft of a human pangenome
doi: 10.1038/s41586-023-05896-x
doi: 10.1038/s41586-023-05896-x
doi: 10.1038/s41587-021-01195-w
単一細胞技術は高度に詳細な細胞生物学的情報をもたらし、従来の細胞集団研究データの不足を補っている。個々の細胞を複数時点で測定する従来の電気生理学的な選別・撮像法に、近年、多数の新しいサイトメトリー技術が加わった。特に、ますます高度化するマイクロ流体工学とハイスループット塩基配列解読法によって単一細胞のDNA、RNA、クロマチンプロファイル解析が一新され、マスサイトメトリーによって複数のタンパク質マーカーと代謝物の同時測定が可能になった。
これまで、腫瘍細胞、免疫細胞、神経細胞型の不均質性の解明には、さまざまな検出・解析技術が用いられてきた。単一細胞技術の応用が最も顕著な分野は、がん、免疫学、神経科学であったが、今後は、細菌学、ウイルス学など、生命科学の別の分野でも単一細胞技術の恩恵が増しそうである(Editorial, p. 1077)。
今回の特集では他にも、News Featureで、がん患者とがんリスクが高い個人の両方を対象とする液体生検の可能性に対する商業的関心を取り上げている(News Feature, p. 1090)。1111ページ以降では、さまざまな分野の専門家が、単一細胞技術の現状に関する数々の論点に対する見解、および今後の発展と応用の予測を示している(Feature, p. 1111)。また、細胞の計量に対するカンチレバーセンサーの利用も論じられている(News and Views, p. 1125)。
数千個の単一細胞のスナップショット解析は強力であるが、少数の単一細胞を長期間解析し続ける可能性に対しても関心が高まっている。Timm SchroederらのPerspectiveでは、単一細胞の長期連続画像化法に関する諸課題といくつかの解決法が提示されている(Perspective, p. 1137)。さらに単一細胞技術は、従来の細胞型の定義を見直してヒト細胞の包括的アトラスの作成を構想することを可能にしようとしている。Aviv RegevらはRNA-seqに注目し、細胞の独自性を構成する数々の生物学的要因のつながりを明らかにするためのコンピューターによる単一細胞データ解析法を概説している(Review, p. 1145)。
doi: 10.1038/nbt.3728
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