Perspective
ヒドロゲルのコンビナトリアルライブラリーは霊長類の異物反応を緩和する材料の同定を可能にする
Nature Biotechnology 34, 3 doi: 10.1038/nbt.3462
異物反応は、場合により埋め込み型医療デバイスの不具合およびレシピエントの不快感を引き起こす免疫介在性の反応である。医療デバイスの開発では、この重要な課題を克服する生体材料が緊急に必要とされている。今回我々は、共有結合による化学修飾のためのコンビナトリアルな方法を用いて、極めて広く用いられているヒドロゲル生体材料であるアルギン酸塩の大規模な多様体ライブラリーを作製した。我々は材料をin vivoで評価し、齧歯類でも、また6カ月以上にわたって非ヒト霊長類でも、異物反応を大幅に緩和する3種類のトリアゾール含有類似物質を同定した。トリアゾール修飾の分布は、マクロファージによる認識および繊維沈着を抑制する独特のヒドロゲル表面を生じた。今回紹介した化合物の有用性以外にも、我々の方法は異物反応を緩和する別の材料の発見を可能にすると考えられる。