Review

神経系の障害に対するオリゴヌクレオチド治療

Nature Biotechnology 35, 3 doi: 10.1038/nbt.3784

現在、骨格化学が進展し、オリゴヌクレオチド薬によって特異的および効率的に調節可能な新規治療経路が発見されていることにより、オリゴヌクレオチド治療が復活を遂げつつある。オリゴヌクレオチドが遺伝子発現の調節を目的として生きている哺乳類の脳に最初に使用されてから四半世紀がたつ。脳への送達は困難であるが、複数のオリゴヌクレオチド化合物が現在、血液脳関門(BBB)の内部への直接送達によるヒトの脳疾患の治療用に開発中である。注目されるのは、中枢神経系を標的とする最初の新しいオリゴヌクレオチド薬(ヌシネルセン/スピンラザ)が米国食品医薬品局(FDA)によって2016年後半に承認されたことであり、他にも複数の化合物の臨床試験が進んでいる。脳を標的とするオリゴヌクレオチドのヒトでの試験からは、複雑な能動的取り込み機構、低い全身曝露、極端に長い半減期、蓄積、細胞内貯蔵部位からの徐放など、この種の化合物の独特の薬物動態特性および薬力学特性が浮かび上がってきた。脳への応用を目指してオリゴヌクレオチド薬の開発プロセスをさらに最適化するには、オリゴヌクレオチドの取り込み、BBBを越える送達のための製剤開発、および関連疾患の生物学研究にさらに取り組む必要がある。

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