Review
神経機能を調べるための次世代インターフェース
Nature Biotechnology 37, 9 doi: 10.1038/s41587-019-0198-8
神経系内の生化学的過程と観察される行動との因果関係を証明するには、ニューロンおよびグリアが用いるシグナルの多様性を閉ループ的に監視および調節することが必要である。神経インターフェースハードウエアの開発が神経活動に関する遺伝子コード型および合成のレポーターおよびモジュレーターの急速な進歩に遅れるまいとする中で、神経工学分野では、複数の機能的特徴を統合することが重要な必要条件にして切迫した課題となっている。電気的、光学的、および化学的手法を利用することによってin vivoの神経活動が操作および記録されているなかで、最近注目されているのは、ニューロンとのさまざまな相互作用様式を単一のデバイスに統合するとともに、神経回路との双方向コミュニケーションを高い時空間精度で実現する技術である。そうした技術は、健康および疾患の状態にある脳、脊髄、および末梢回路の理解を進展させるのみならず、神経疾患、神経免疫疾患、および神経内分泌疾患に対する将来の閉ループ治療の開発を活気付けている。