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深層学習で転写プロファイルから薬効を予測する
Nature Biotechnology 39, 11 doi: 10.1038/s41587-021-00946-z
標的タンパク質に着目した創薬という戦略は成果を上げているが、そのような取り組みを可能とする明確な標的が存在しない疾患と生物学的過程は多い。本論文では、この課題を克服するものとして、疾患状態での遺伝子発現プロファイルの変化を入力として用いることによって候補薬物を特定するDLEPSを紹介する。DLEPSは、L1000プロジェクトの化学的に誘発された転写プロファイル変化を用いて訓練された。その結果、過去に未検討の分子の転写プロファイルの変化がピアソン相関係数0.74で予測されることが明らかになった。我々は3種類の疾患を調べ、上位の候補薬物を疾患モデルマウスで実験的に検討した。検証の結果、ペリレン、チクセツサポニンIV、トラメチニブが、それぞれ肥満、高尿酸血症、非アルコール性脂肪性肝炎に疾患関連の影響を及ぼすことが示された。DLEPSでは発病機構に関する知見が得られ、MEK-ERKシグナル伝達経路が非アルコール性脂肪性肝炎に対する治療薬開発の標的となることが明らかになった。今回の知見は、DLEPSが治療薬の転用と発見のための有効なツールであることを示唆している。