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ヒトゲノムの非固有領域に存在する体細胞変異のがん種横断的全体像

Nature Biotechnology 39, 12 doi: 10.1038/s41587-021-00971-y

ヒトゲノムのかなりの部分には他の1つ以上のゲノム塩基配列との高い配列類似性が見られ、ショートリード塩基配列解読データから体細胞変異を見いだす上での課題となっている。本論文では、がん種横断的全ゲノム解析(PCAWG)のコホートの2658のがんで、ヒトゲノムの全域にある類似部位との関連付けを用いてゲノムバリアントのアノテーションを行った。複数のゲノム部位に分散しているシグナルを用いて非固有領域の体細胞事象を検出するよう機械学習モデルを訓練し、独立したデータセットのリンクリード塩基配列解読でそのデータを検証した。我々は、この方法を用い、既知のがん遺伝子、免疫グロブリン、高度に変異した遺伝子ファミリーなど、約1700のコード配列と数千の調節エレメントで、これまで発見されていなかった変異を明らかにした。変異負荷と置換プロファイルという点で、非固有領域の変異は固有領域の変異と一致していた。今回の分析は、ヒトのさまざまながんについて、ゲノム規模での非固有領域の変異事象の系統的な概要を提供するものである。

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