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コレステロールによって機能化されたDNA/RNAヘテロ二本鎖核酸が齧歯類のCNSで血液脳関門を通過して遺伝子をノックダウンする

Nature Biotechnology 39, 12 doi: 10.1038/s41587-021-00972-x

アンチセンス核酸(ASO)を全身投与して中枢神経系(CNS)の内因性遺伝子の発現が調節されるようになれば、神経疾患に対するASOを用いた治療法の開発が促進されると考えられる。我々は、マウスとラットで、RNA鎖の5′末端にコレステロールまたはα-トコフェロールを結合させたDNA/RNAヘテロ二本鎖核酸(HDO)が、皮下または静脈内投与後にCNSに到達することを明らかにした。このHDOは、脳、脊髄、末梢組織の全体に広がり、CNSにおいて4種類の標的遺伝子の発現を最大90%抑制したが、コレステロールを結合させた一本鎖ASOにはCNSでの遺伝子発現抑制効果が認められなかった。遺伝子ノックダウンはCNS内の主要な細胞で観察され、ニューロンとミクログリア細胞で最も顕著であった。血小板減少症や限局性脳壊死などの副作用は、皮下投与の使用または静脈内投与の分割によって改善された。コレステロール結合HDOは、全身投与で血液脳関門を効果的に通過することによって、これまでCNSを標的とするASO治療の制約であった髄腔内投与を回避できる可能性がある。

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