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RNAの脱メチル化が野外試験でイネとジャガイモの収量とバイオマスを増加させる

Nature Biotechnology 39, 12 doi: 10.1038/s41587-021-00982-9

RNAのN6メチルアデノシン(m6A)修飾は植物に不可欠である。今回我々は、ヒトのRNA脱メチル化酵素FTOをイネでトランスジェニック発現させると、温室条件下で穀粒の収量が3倍以上に増加することを明らかにした。野外試験では、FTOのトランスジェニック発現により、イネとジャガイモの収量とバイオマスが約50%増加した。FTOの発現は、根の分裂組織の細胞増殖と分げつ芽の形成を刺激し、光合成効率と耐乾燥性を向上させたが、成熟細胞のサイズ、茎頂分裂組織の細胞増殖、根の直径、草丈、倍数性には影響がなかった。FTOは植物RNAにかなりのm6A脱メチル化を生じ(ポリ(A)RNAでは約7%の脱メチル化、非リボソーム核RNAでは約35%のm6Aの減少)、クロマチンの開いた状態と転写の活性化を誘導した。これにより、植物RNAのm6Aメチル化の調節は、植物の成長と作物の収量を劇的に改善する有望な戦略となる。

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