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多様なB細胞レパートリーからの組換え過免疫グロブリンの作製

Nature Biotechnology 39, 8 doi: 10.1038/s41587-021-00894-8

免疫グロブリンの静脈内投与などの血漿由来ポリクローナル抗体療法には、低効力、不純物、供給量不足、バッチ間変動など多くの欠点がある。本論文では、多様な哺乳類抗体レパートリーを捉えて組換え多価過免疫グロブリンを作製するマイクロ流体・分子ゲノミクス戦略を紹介する。この方法では、治療標的に対する特異性と活性が強化された数千種類の組換え抗体の多様な混合物が得られる。それぞれの過免疫グロブリン産物には、回復期またはワクチン接種済みのヒトドナー、あるいは免疫化マウスに由来する数千~数万種類の抗体が含まれた。我々はこの方法を用いて、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に対する強力な中和活性を有する過免疫グロブリンを3か月未満で作製した。さらに、抗体依存性感染増強がなくジカウイルス特異的なFc改変過免疫グロブリン、および原発性免疫不全患者に認められる肺病原体に特異的な過免疫グロブリンも得た。我々は、ウサギ由来抗胸腺細胞グロブリンの問題点を解決するために、組換えヒト抗胸腺細胞グロブリンを作製し、マウスで移植片対宿主病に対する有効性を実証した。

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