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全血PCR法によるSARS-CoV-2細胞性免疫の迅速で拡張可能な評価

Nature Biotechnology 40, 11 doi: 10.1038/s41587-022-01347-6

重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に対する防御免疫応答の強度および持続期間を測定する迅速なハイスループット法が、ブレークスルー感染のリスク予測に必要とされている。本論文では、SARS-CoV-2に特異的なT細胞の活性化に関する定量PCRアッセイを2種類開発したことを発表する。そのアッセイは迅速で内部標準化が行われ、プローブを使用する。qTACTはRNA抽出を必要とし、dqTACTは試料調製工程を廃している。両アッセイとも、発現が抗原特異的T細胞の活性化と強く相関するケモカインCXCL10 mRNAの定量に基づいている。全血細胞をSARS-CoV-2のウイルス抗原で再刺激すると、ウイルス特異的なT細胞がIFN-γを分泌し、それが単球を刺激してCXCL10を産生させる。これにより、CXCL10 mRNAは細胞性免疫定量化の代理指標となる。今回のアッセイは、SARS-CoV-2に対する機能的T細胞免疫の大きさおよび持続期間の大規模なモニタリングを可能とし、ひいては脆弱な集団のワクチン再接種戦略の優先順位付けに役立つ可能性がある。

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