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パーキンソン病と治療に対する個々の応答のスマートフォンによる遠隔モニタリング
Nature Biotechnology 40, 4 doi: 10.1038/s41587-021-00974-9
臨床現場外で実世界のデータ(RWD)を集める遠隔健康評価では、データ収集、精度評価、解析、解釈を行う適切な方法を明確に理解する必要がある。本論文では、パーキンソン病(PD)のmPower遠隔観察研究で、RWD収集に関するスマートフォンの性能と限界を調べた。研究開始から6か月以内に登録した参加者のうち960人が、自記式の能動的PD症状評価(加速タッピング、歩行/バランス、発声、記憶)を5回以上行った。課題の成績、特に加速タッピングは、自己申告によるPD状態を予測することができ[ROC(receiver operating characteristic)曲線下面積 = 0.8]、運動症状に関するMDS-UPDRS(Movement Disorder Society-Unified Parkinson’s Disease Rating Scale)との比較では、医療機関での疾患重症度評価との相関が認められた(r = 0.71、P < 1.8 × 10−6)。遠隔評価ではRWDの正確な解釈について慎重に考慮する必要があるが、今回の結果は、客観的疾患評価と個別的疾患評価でのスマートフォンとウエアラブルデバイスの使用を支持している。