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B細胞受容体配列解読とリガンド遮断によるSARS-CoV-2中和抗体の効率的な発見
Nature Biotechnology 40, 8 doi: 10.1038/s41587-022-01232-2
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)を標的とする複数のモノクローナル抗体(mAb)が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療薬として承認されているが、リード抗体の生成は多数の候補抗体の作製および試験を必要とし、開発は概して非効率的であった。本論文では、標的–リガンド遮断と既報のB細胞受容体配列解読法(linking B cell receptor to antigen specificity through sequencing;LIBRA-seq)を組み合わせることにより、SARS-CoV-2のスパイクタンパク質とアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)との結合を阻害する複数の中和mAbの迅速で効率的な発見を可能にしたことを発表する。標的–リガンド遮断とハイスループット抗体配列解読の組み合わせには、新しい中和抗体の発見をめざす計画のスループットの向上が期待される。