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マウスのin vivo改変B細胞が高力価の抗HIV広域中和抗体を分泌する

Nature Biotechnology 40, 8 doi: 10.1038/s41587-022-01328-9

広域中和抗体(bNAb)を分泌するようにex vivo で改変されたB細胞の移植は、疾患モデルで有効性が示されている。しかし、この方法の臨床化には、専門の医療施設、技術が要求されるプロトコル、およびドナー細胞とレシピエントとの主要組織適合遺伝子複合体の適合性が必要となる。本論文では、2種類のアデノ随伴ウイルスベクター(黄色ブドウ球菌のCas9[saCas9]をコードするベクターと、抗HIV bNAbである3BNC117をコードするベクター)によるin vivoのB細胞改変を紹介する。そのベクターをマウスに静脈注射すると、B細胞の編集が行われて記憶が保持され、bNAbの分泌が最大6.8 μg ml-1の中和力価で認められた。CRISPR–Cas9による最小限のオフターゲット切断が偏りのないCHANGE塩基配列解析で検出された一方、意図せぬ組織でのオンターゲット切断はB細胞特異的プロモーターからのsaCas9の発現によって抑制される。治療用抗体を発現させるためのin vivoのB細胞改変は安全かつ強力で拡張性のある方法であり、感染症だけでなく、がんや自己免疫疾患などの非伝染性疾患の治療にも応用可能と考えられる。

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