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相関空間電子顕微鏡法のための遺伝子にコードされたバーコード
Nature Biotechnology 41, 12 doi: 10.1038/s41587-023-01713-y
蛍光顕微鏡法では遺伝子にコードされたレポーターが広く用いられているが、電子顕微鏡法(EM)では、同様の多重化可能な遺伝子レポーターがいまだほとんど存在しない。今回、固定化に安定で金属と相互作用する成分をさまざまなサイズのエンカプスリンのナノコンパートメント内腔にさまざまな数で導入することにより、標準的なEM技術で読み取ることができる一群の球対称同心バーコード(EMcapsulin)を開発した。6種類のEMcapsulinは自動的に分けられ、区別することができた。そのコード化能力は、長さのさまざまな剛性スペーサー群を介して複数のEMcapsulinを異なるパターンに並べることで、さらに強化された。光電子顕微鏡法で細胞内構造を観察するために、蛍光EMcapsulinを発現させた。ショウジョウバエとマウスの脳のニューロンで発現させると、遺伝学的に明確な細胞がEMで自動識別された。EMcapsulinは、透過型EM、走査型EM、集束イオンビーム走査型EMで用いることができる。遺伝子で制御されてEMでの読み取りが可能なバーコードの拡張可能なパレットは、多重遺伝子発現マップによって解剖学的EM画像を充実させることができる。