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再プログラム化tracrRNAによる単一細菌細胞のRNA記録
Nature Biotechnology 41, 8 doi: 10.1038/s41587-022-01604-8
個々の細胞の転写履歴を捕捉するという課題は、細胞群集の機能的不均質性のため難度が高い。今回我々は、再プログラム化tracrRNA(Rptr)を利用して、生きている単一の細菌細胞の中で、選択した細胞転写物を保存DNA編集物として記録した。Rptrは、感知した転写物と塩基対合し、それをガイドRNAに転換するように設計されている。続いて、そのガイドRNAは導入されたDNA標的に向けてCas9塩基エディターを誘導する。塩基編集範囲は、その後の塩基配列解読によって読み取ることができる。我々はTIGER(transcribed RNAs inferred by genetically encoded records)と命名したこの方法を用い、個々の細菌細胞で異種転写物と内因性転写物を記録した。TIGERは相対的発現量を定量化し、一塩基の違いを識別し、複数の転写物を同時に記録し、単一細胞の現象を読み取ることができた。我々はTIGERをさらに応用し、大腸菌(Escherichia coli)での代謝的な両賭けと抗生物質耐性の起動、そしてサルモネラ属細菌(Salmonella)による宿主細胞への侵入を記録した。TIGERは、RNAを記録することによって現在の細胞状態を過去の転写状態と結び付け、単一細胞の複雑な細胞応答を解読する。