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制御されたin vivo塩基編集による精密な前臨床がんモデルの作製
Nature Biotechnology 42, 3 doi: 10.1038/s41587-023-01900-x
一塩基変異(SNV)は、がんに関連する遺伝子変化の大部分を占めており、網羅的にカタログ化されているが、腫瘍のイニシエーションとプログレッションに対するSNVの影響はほとんど知られていない。がんに関連するSNVの機能研究を可能とするために、我々は、一時的で制御可能なin vivo塩基編集を行うマウスの系を開発した。この誘導性塩基編集(iBE)マウスは、テトラサイクリン応答エレメントの制御下で発現が最適化されている単一のシトシン塩基エディター導入遺伝子を有し、in vivoのさまざまな組織でロバストなドキシサイクリン依存的発現を可能とする。プラスミド型ガイドRNAや合成ガイドRNAと組み合わせることにより、iBEは腸、肺、膵臓のオルガノイドで個別または複数のSNVの効率的な改変を駆動する。塩基エディターの活性を時間的に調節することにより、ex vivoとin vivoで逐次的なゲノム編集を制御することができ、sgRNAを標的組織に直接送達することで、in situの前臨床がんモデルの作製が容易になる。