Perspective
核酸医薬時代のRNA干渉
Nature Biotechnology 42, 3 doi: 10.1038/s41587-023-02105-y
RNA干渉(RNAi)に関する研究の20年は、生物学における画期的な発見から、mRNAの発現を調節する新しいクラスの医薬品のための強固なプラットフォームへと変容してきた。本論文では、低分子干渉RNA(siRNA)薬開発の軌跡を概説し、2018年に初めて承認された肝臓を標的とする脂質ナノ粒子(LNP)型siRNA干渉(RNAi)薬と共に、その後に承認されたRNAi薬で、代謝的に安定なsiRNAをN-アセチルガラクトサミンのリガンドと組み合わせて用いることでコンジュゲート型の肝送達を行う別の5つについて触れる。また、筋肉や脳をはじめとする肝臓以外の器官への送達など、この分野に残されている課題についても論じる。今日のRNAi治療薬は、特異性、効果、持続性が高く、希少疾患からさまざまな慢性疾患へと用途が移りつつある。