生物学的性差・ジェンダー差

生物学的性別(セックス)による差は、個人レベルだけでなく、細胞レベルでも確認できることが分かってきました。それは時に、命に関わることが報告されています。また、社会的・文化的に形成された性別(ジェンダー)に関しても、特定のジェンダーに負担がのし掛かる、差別があるといった社会構造が問題となっています。全ての人が公正・平等に暮らすことを掲げるSDGsにおいても、男女格差の解消はゴールの1つに設定されています。性差/ジェンダー差を直視し、問題に取り組むことは、不公平や不便の解消だけでなく、命を守ることにもつながります。このCollectionでは、生物学的性差およびジェンダー差に関する記事を一覧にしています。

  • 質の高いハイブリッド学会を標準とすべきだ

    学会は、子育て中の親、介護者(ケアラー)、障がい者、その他移動の障害に直面している人々がもっと参加しやすいものにする必要がある。

    2024年11月号

  • セックスとジェンダーの研究が絶対必要な理由

    一部の学者は、研究結果の誤用を恐れて、セックスとジェンダーの研究を行うことに消極的になっている。Natureは、一連の特別寄稿論文を掲載して、セックスとジェンダーの研究に関わることを科学者に呼び掛ける。

    2024年8月号

  • 女性が学術界を去る最大の理由

    米国の学術界では、職場環境の問題を理由に離職を決意する女性が多いことが分かった。

    2024年2月号

  • 経口避妊薬のOTC医薬品化をFDA諮問委員会が支持

    米国でも経口避妊薬が処方箋なしで購入できるようになれば、女性の健康に恩恵をもたらすと、諮問委員は述べている。

    2023年8月号

  • 「性差のある疾患」への研究助成のジェンダーギャップ

    患者に女性が多い疾患の研究には、助成額が少ない傾向が見られる。しかし、こうした疾患への投資を増やすことで、男女を問わず大きな恩恵がもたらされる可能性がある。

    2023年8月号

  • 更年期の女性の脳で起きている変化

    女性は閉経後に人生の約3分の1の時間を過ごす。閉経への移行期は、その後の女性の脳の健康に影響を及ぼし得ることが分かってきたが、その仕組みの解明に向けた研究は始まったばかりだ。

    2023年8月号

  • 人種・民族の報告に関する著者向け指針をNatureが改定した理由

    今回のNatureの指針改定は、過小評価グループに属する人々が研究によって傷つけられるという意図せぬ事態をなくすための小さな一歩です。

    2023年7月号

  • 求められる性差分析、実現への壁

    実験において性差が果たす役割を考慮するよう研究者に要請する研究資金配分機関や出版社が増えている。この要請に対しては異論もあり、適切に対応するのは容易ではない。

    2022年12月号

  • 研究に性差分析を強く求めます

    Nature および一部のNature 関連誌への投稿論文では、研究デザインにおいて性別やジェンダーをどのように考慮したか、詳しく報告いただくことになりました。

    2022年8月号

  • 性差の視点から社会を変える! ジェンダード・イノベーション研究所

    性差に関する課題を解決し、技術革新と偏り解消を目指す国内初の研究拠点が、お茶の水女子大学に設立された。

    2022年8月号

  • 女性科学者の割合が過去最高に

    世界各国の数百万件の論文出版記録の縦断研究から、20年前と比べて、研究者として歩み出す女性が増加傾向にあることが分かった。

    2021年11月号

  • 女子サッカー選手は脳損傷のリスクが高い

    米国の高校生アスリートにおける脳震盪の発生率とその原因に関するデータから、男女間で顕著な違いがあることが明らかになった。

    2021年7月号

  • パンデミックと女性研究者たち

    研究者としての昇進を妨げる可能性のある「母親の壁」。これについて、ロックダウンでどのようなことが明らかになるのか。私はそれを知りたいと考えている。

    2020年6月号

  • 「マネル」にさせない

    Nature は、研究会議や研究イベントにおける多様性の向上を目指し、新しい行動規範を策定しました。

    2020年3月号

  • 痛みを生む経路に性差あり

    これまで何十年間も、痛みを発生させる機序に性差はないと考えられてきたが、近年、性別によりその経路が異なっていることが分かってきた。

    2019年6月号

  • 周期表の発展を支えた女性科学者たちの物語

    新元素の発見から既知元素の特性評価まで、周期表を形作る上で重要な役割を果たしてきた女性科学者たちに、化学史学者のBrigitte Van TiggelenとAnnette Lykknesが光を当てる。

    2019年4月号

  • 実験者の性別がケタミンの作用を左右する?!

    マウスにケタミンを投与する実験で、投与者が男性の場合にだけ、マウスに抗うつ作用が見られることが報告された。

    2018年1月号

  • 世界に広がる英国発の男女共同参画推進事業

    学術機関における男女共同参画の推進度合いを格付けする英国の「アテネ・スワン」が、世界に広がりつつある。米国では、人種と障害にまで範囲を広げた計画の導入準備が進められている。

    2017年12月号

  • 免疫応答の男女差という「不都合な真実」

    感染に対する免疫系の反応に男女差があるという事実は、今日の医学に大きな問題を投げかけるものだ。研究者たちは、この真実に目を向け始めている。

    2016年8月号

  • 雄の線虫で「ミステリー」ニューロン発見

    調べ尽くされたと考えられていた線虫の神経系で、新たなニューロンが発見された。雄にしか見られないこの謎のニューロンに、神経科学者たちは関心を寄せている。

    2015年12月号

  • 大うつ病の遺伝子マーカー見つかる!

    うつ病と関連する特定のゲノム塩基配列の探索は、これまで望み薄と考えられていたが、今回、大うつ病と強固な関連性を示す遺伝子が見つかった。この発見で、精神病に関係した遺伝子の捜索が熱を帯びそうだ。

    2015年10月号

  • 揺れる性別の境界

    一般社会では、性別が二元的に男か女かに分けられている。だが、生物学的な研究が進んだことで、性別は単純に二元化できるものではないことが分かってきた。

    2015年5月号

  • 造血幹細胞にも性差がある

    血球を作り出す造血幹細胞は、エストロゲンに応答して、雄より雌のマウスでより頻繁に分裂することが分かった。これはおそらく、雌が妊娠時により多くの血液を必要とするようになることに備えているためだろう。

    2014年4月号

  • 輝く女性科学者たち

    女性であることは研究に何か影響しましたか? 本格的な研究生活をスタートさせつつ、出産や育児にもチャレンジする30代の女性科学者4人に尋ねてみた。

    2013年3月号