研究助成金をめぐる競争は激しさを増しています。助成金提供機関は、成功の可能性が高く、社会に大きな利益をもたらす研究を選定するために、申請書を慎重に評価します。キャリア初期・中期の研究者を対象とする本ワークショップでは、有意義で助成金を受けられる可能性が高い研究課題の設定方法と、適切な助成金の見つけ方、研究資金の確保につながる優れた申請書の作成方法の基礎指導を行います。

自身の研究に対して適切な募集案内を見つけることは、卒業予定者や契約期間の終了が近いポスドクにとってきわめて重要な課題です。研究者としてのその後の人生に影響してくる、キャリア形成の重要な一歩であり、慎重に、思慮深く行動する必要があります。人生の過渡期にある研究者が、キャリアの次のステップに進むために適切なポストを見つけ、それを確保するために必要なスキルを身につけるお手伝いをします。

臨床方法論は、研究者にとって非常に重要です。これをきちんと理解することによって、研究の無駄を省き、投稿論文が不採用となる可能性を下げ、延々と続く査読プロセスを回避することができます。本ワークショップは、データの収集・分析おいてありがちな問題を避け、しっかりとした研究プロトコルを書くためのツールと戦略を伝授する実践的な内容です。

システマティックレビュー（系統的レビュー）とメタアナリシスは、臨床研究の結果を統合することで、介入の有効性を確定する上で欠かすことができません。しかし、当該分野の臨床に影響を及ぼすような、質の高いシステマティックレビューとメタアナリシスを行うためには、時間と高度な専門知識が必要です。臨床研究者のために開発された本ワークショップでは、システマティックレビューやメタアナリシスの実施方法を説明します。

ヒトを対象とする実験的研究は、科学の進歩と医薬品の発見のために欠かすことができません。発展途上国での臨床試験は増加し続けています。弱い立場にある患者の権利と福祉を守ることは当然ながら必須であり、しかしその一方で、論文が査読に至らずに不採用となったり、撤回されたり、低い評価を受けたりすることも避けなければなりません。臨床研究者のための本ワークショップでは、ヒトを対象とする実験を倫理的に行う方法について解説します。

研究者は、一般やマスコミ、助成金提供機関など、幅広い層に対して、自分の研究を明確に伝える能力が求められます。しかしながら、複雑な専門的知見を、一般的に理解しやすい言葉や表現で伝えることは困難で、多くの研究者が苦手としています。本ワークショップでは、サイエンス・コミュニケーションの基礎と、研究を配信するために役立つプラットフォームについて解説します。

査読は、学術出版に欠かすことのできない要素です。一方、多くの研究者は査読者としてのトレーニングを受けていません。このため、十分に役目を果たす自信が持てずに査読依頼を断ったり、不十分な査読レポートを提出するなどといったことにより、自分自身と所属機関の評判を損うケースがあります。本ワークショップは、正式なトレーニングを受けることで、スキルと自信を得て、学術界における義務を果たせるようになりたいという、多くの研究者の声にこたえるために開発されました。活発な議論を促し、インタラクションを増やすために、このワークショップは少人数制としています。

ジャーナルの創刊・運営に携わる編集職は、刺激的な仕事です。同時に、間違いがジャーナルそのものに対する失望や失敗になり得る、大変に慎重を要する仕事でもあります。本ワークショップでは、当該分野で認知され、高い競争力を持つジャーナルを作り上げるための基盤を構築するためのサポートを行います。少人数制にすることで、議論の活性化とインタラクションの促進を図っています。