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ヒトの足のアーチ構造と剛性の進化
ヒトの足に剛性を付与している重要な構造は縦方向のアーチである、とこれまで考えられてきた。このほど、横方向のアーチがヒトの足の剛性の進化において中心的な役割を果たしてきたという研究結果が発表され、注目を集めている。
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38億年前の岩から見つかった地球の材料のヒント
地球を作った構成要素を地球の岩石から突き止めることは難しい。地球の材料は、地球の進化とともに混ざってしまっているからだ。古代の岩石の中から未知の構成要素の証拠が得られ、地球の材料についての理解が進んだ。
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家禽類の祖先が示す現生鳥類の初期進化
ベルギーで、約6670万年前の新種の化石鳥類のほぼ完全な頭蓋が発見された。家禽類の祖先ともいえる独特な特徴を備えたこの化石は、現生鳥類の出現時期と多様化のタイミングを知る上で、これまでで最も優れた証拠となる。
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張力のかかった細胞の代謝が速い理由
腫瘍は正常組織よりも硬いことが多く、グルコース代謝が異常に速い。今回、こうした2つの特徴の間には関係があり、細胞のタンパク質繊維のネットワークの張力が関与していることが分かった。
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タンパク質の構造を使って病気を診断
パーキンソン病と多系統萎縮症には、α-シヌクレインと呼ばれるタンパク質が関わっている。凝集したα-シヌクレインがこれら2つの疾患で異なる構造をとることが証明されたことから、α-シヌクレインの立体構造がそれぞれの疾患の特徴の基盤となっていると考えられる。
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三角形でトポロジカルなレーザー
量子カスケードレーザーと呼ばれる素子は、有用なテラヘルツ放射を作るが、その性能は通常、製造上の欠陥に非常に敏感だ。今回、この制約が、トポロジカル・ロバスト(頑健)性と呼ばれる性質を使って克服された。
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国際的ながんゲノム解析プロジェクトの大きな成果
大規模な国際共同研究で、38種類の腫瘍に由来する2600例以上の全ゲノム情報について多面的な解析が行われ、がんの遺伝学的な基盤を解明するための多くの手掛かりが得られた。
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免疫療法の最前線に位置するB細胞
このほど3つの研究から、免疫療法を受けた患者の良好な転帰に関連する免疫の2つの重要な構成要素が明らかになった。それは、B細胞と、それを含む三次リンパ組織様構造である。
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結核ワクチンの効果的な接種経路は?
結核の予防に広く使われているワクチンは、通常は皮内接種されているが、静脈内接種することで効果が大きく改善され、ほぼ完全に結核を予防できることが分かった。
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宇宙の暗黒時代を銀河団で調べる
遠方の銀河団の観測で、そこではビッグバンからわずか3億7000万年後に星形成が始まったことが分かった。この観測結果は、最初の星と銀河は、宇宙のどこでいつ現れたのかについて重要な手掛かりを与えてくれる。
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有用な二次元材料の汎用的な作製法
有用で安定な二次元材料を容易に作製できる、汎用的な方法が開発された。この方法は工業スケールに拡張できる可能性があり、二次元材料の市場進出への重要な足掛かりになると期待される。
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量子ゆらぎによる熱伝達を観測
真空の隙間で隔てられた2つの物体間で、量子ゆらぎによる熱輸送が可能であることが実験で示された。この効果は、ナノスケールの素子での熱伝達やその制御に利用されるかもしれない。
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既製の細胞性の栓が皮膚創傷を治す
皮膚下の繊維性組織からなる薄い層には、すでに出来上がっている可動性の細胞シーラントが含まれており、それによって深い創傷が治癒するという研究結果が報告された。この知見は瘢痕や潰瘍の治療に役立つ可能性がある。
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太陽の秘密に間近で迫る
米航空宇宙局(NASA)の太陽探査機パーカー・ソーラー・プローブは2018年に打ち上げられ、太陽の周りの楕円状軌道を回って太陽に何度も接近しながら観測を行っている。パーカー・ソーラー・プローブの最初の観測結果が報告され、太陽とその周囲の環境に関する理解が深まった。
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細菌の外膜を標的とする新しい抗生物質
グラム陰性細菌がグラム陽性細菌に比べて抗生物質に対して抵抗性を示すのは、外膜と内膜という二重の膜によって守られているからだと考えられている。実際に、いくつかのグラム陰性細菌は抗生物質による治療が困難だ。今回この障壁を克服できる複数の化合物が作り出された。これらの化合物はおそらく、外膜の重要なタンパク質を標的としている。
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陽子半径の謎に進展
ミューオン水素の分光で得られた陽子半径の測定値は、それまでの陽子半径の測定結果と食い違い、議論を巻き起こした。今回、通常の水素を使った陽子半径の精密な測定が、原子物理学と原子核物理学の手法でそれぞれ行われ、いずれもミューオン水素で得られた結果と一致した。
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V(D)J組換えとクラススイッチを支配するのは1つの環
免疫系のT細胞受容体や抗体をコードする多様な遺伝子は、離れた場所にあるDNA領域が並置されて、連結される組換えが起こることで形成される。今回、B細胞受容体のV(D)J組換えと抗体のクラススイッチ組換えのどちらもが、コヒーシンと呼ばれるタンパク質の環を介した DNAの突出に依存して起こるらしいことが分かった。
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細胞を保護する強力なシステムが明らかに
フェロトーシスと呼ばれるタイプの細胞死を防ぐメカニズムが発見されたことで、生体膜の至る所に存在する保護的な成分の再生システムが明らかになり、抗がん剤の標的となる可能性がある。
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喫煙と糖尿病を結ぶ経路が明らかに
脳内でのニコチンに対する反応と膵臓での糖代謝をつなぐシグナル伝達経路が発見された。これは、喫煙により糖尿病発症リスクが高まる理由を解明する手掛かりとなる。